自分を認める
子供に何か問題が起きた時、私は、ちゃんと育てて来た、子育ての勉強もして来た、と言われるとよく耳にします。
私は、息子にある時、次のようなことを言われました。
■息子:「オレは、小さい頃、おふくろに脅かされて来たので、弱い人間になった」
■私:「エーッ!! 脅かした覚えはないよ。息子が生まれた日に、娘(長女)のようにガミガミ言ってはいけない、男の子として、生きる力をつけてやらなければと決心して育てて来たよ。
長女には、毒ガスをかけたが、あなたには、ゴミの言葉はかけなかったよ」
■息子:「オレは小さい頃から、おふくろは怖がりで心配性だから、友達と川に遊びに行って来るというと、ダメ危ないから。
友達と○○へ遊びに行って来る…と言うと、ダメ危ないと言い、何を言ってもダメダメといわれ、おふくろの怖がりの心を押しつけられ、オレは弱ッピーの人間になったよ」
■私:「一生懸命育ててきたと思っていたので、自分の心のクセで育てた事に気付かなかったよ。悪かったね」
■息子:「分かればいいよ。そしてオレは、小3の時、みんなと自転車で遊びに行った時、みんなスイスイ行くのに、小3になっても、おふくろが危ない危ないと言って、補助輪を取ってもらえなくて、みんなについていくのが、必死だったよ」
■私:「そうだったねぇ。本当にすまなかった。私は、人間としての生きる力を付けてやっていると思っていたが、申し訳なかったね」
■息子:「確かに、やってよい事、やっていけない事は、よく教えてもらったが、心はおふくろの怖がりをコピーさせられたよ。おふくろが自分を認めたのでオレも心がスッキリしたよ」
今迄、必死に男として、社会に出た時に、困らないようにと生活の基本は、生活の中でくり返し教えてきました。まさか、脅かしたとは、思いもしなかったし、よしと思っていました。
今、息子が40歳になり私は69歳になって、初めて自分を認められました。
|
2005年11月 内田玲子
|
|